名古屋大学の神田光郎助教らが、胃がんから肝臓へ転移する際に働くたんぱく質を特定したそうです。

がんは、異なる臓器に転移しますが、胃がんが肝臓などに転移するルートは、主に3つあり、その半分を占め、仕組みが分っていなかった「血行性転移」の仕組みが解明されたようです。

研究チームは、血液を通じて胃がんが肝臓に転移した患者4人の細胞を採り、約58000種類の分子を分析。

そこで、「シナプトタグミン7」というたんぱく質が異常に増えていることを突き止めたそうです。

このシナプトタグミン7に関わる遺伝子を切り取ったがん細胞を作り、マウスに移植したところ、通常に比べがん細胞の大きさが10分の1程度にとどまり、さらに胃から肝臓への転移が通常に比べ100分の1とのこと。

このようなことから、転移を抑制したり、胃がんそのものの増殖を抑えたりする可能性があります。さらに、他臓器のがんにも応用ができるかどうかなど研究の深化が望まれます。

しかし、一つのがんを解明にするにも58000種類の分子を分析するのは、かなり高度な解析が必要です。

AIを含め、様々な技術者の養成が必要と思われますので、研究費を含め国家として取り組むよう考えてほしいところです。