18日のニュースで、米国立衛生研究所(NIH)が、がん細胞を免疫の攻撃から守っている仕組みを壊し、がんを治す動物実験に成功したと報道されました。

実験は、小林久隆・米国立衛生研究所(NIH)主任研究員らの研究チームが行ったもので、17日付の米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表したもの。


以下がいい加減な概要になります。

がんは、がんの周りに「制御性T細胞」という細胞が集まり、本来、身体に備わり異物を攻撃する免疫細胞の活動にブレーキをかけて守っている。

このブレーキさせる制御性T細胞に結びつく性質を持つ「抗体」に、特定の波長の近赤外光を当て化学反応を起こさせ制御性T細胞を大幅に減らすことで、ブレーキが外れ本来の免疫力でがんを攻撃するとのこと。

実験では、肺がん、大腸がん、甲状腺がんをそれぞれ発症させた70匹のマウスに注射し、体外から近赤外光を当てた結果、約1日で全てのマウスでがんが消えたとのこと。



この治療が、一般的ながんと少し異なる、血液がん、脳腫瘍、肉腫などに効くのかは現段階では分かりません。
また、再発、2回目、3回目にも同じ治療ができるかなどは分かりませんが、多くのがんに効果がありそうです。

報道では、「全身のがんを容易に治療できる可能性がある。3年程度で治験(臨床試験)を始めたい」とのコメントがあることから、今後が楽しみです。


近い将来、がんはほぼ治せる病気の一つになるのかもしれません。

特に、1回で完治できれば薬価代も大幅に減らせるので、日本の保険制度にとっても朗報です。

ぜひ日本での治験も早く始めてほしいものです。