鳥取大医学部の尾崎充彦准教授らの研究グループが、がんを抑制するのにタンパク質MTA1が関与しているとニュースがありました。

がんは、勝手に免疫細胞をだまし、栄養を取り込み、増殖していきますが、その際、血管も栄養を受け渡すためがん細胞に合わせ伸びていくそうです。

そのため、がん細胞に栄養が回らないよう、マウスにMTA1を抑制したところ、がん細胞が縮小したそうです。

がん細胞は、かなり栄養を取り込むことが知られており、体重の減少が多くのがんでみられます。

今回の治療は、いわゆる兵糧攻めで、栄養を渡さないようにすることで、がんを抑制できることが分かりました。

人間の膵臓がんをマウス移植し、MTA1を作れなくする物質を投与したところ、がん細胞の数が約50分の1にまで減ったとのこと。

成果もかなり高く、しかも様々ながんに適用できる治療方法になるかもしれません。

ステージの高いがん患者には、一度縮小してから切除。

そんな治療も可能になるかもしれません。

また、「抗がん剤と合わせて治療すればさらに効果が高まるのか?」といったことも今後検討されることと思います。

手術、放射線、抗がん剤のほか、すっかり定着してきた免疫療法が第四の治療法として確立されてきましたが、免疫療法は3割ほどしか効果がないともされています。

完全な治癒は難しいがんも、病気と共存しながら長く生活する。

そんな日が来るのかもしれません。

今回の治療法の確立を期待したいと思います。