世界的な画像チップを開発、販売するアメリカのNVIDIA(エヌビディア)。

PCのグラフィックチップ(GPU)は処理能力、シェア共にトップの会社ですが、工場を持たないファブレスで、自らチップの開発と生産技術の向上を図るintelとは異なる戦略を取っています。

GeForceのブランド名が有名で、ゲーム機のPS3にも使われています。

そのNVIDIAが日本で医療機器向け事業に乗り出すと報道されました。

事業では、病院で使うコンピューター断層撮影装置(CT)などに自社の半導体を組み込み、人工知能(AI)でがんの可能性が高い部分を探し出すとのこと。

NVIDIA


以前のPCグラフィックチップは活況で、3dfxのVoodooやS3のSavage 2000、MatroxのMillenium Gなどがありましたが、NVIDIAの技術には太刀打ちできず淘汰され、ATI(AMD)を残すのみと寂しい状況。

ただ、少なくなったライバル企業のおかげで得られ果実は大きく、AIや自動車の自動運手技術などPCに限らず多くの分野で頭角を現し、Baidu、Google、Facebook、Microsoftなどで採用されています。

ソフトバンクの10兆円ファンドで、NVIDIAを組み込んだのもそういったことを踏まえてのこと。

しかも、今後はAIや自動運転だけではなく、医療、特にがん診断にも力を入れていくそうです。

オリンパスや富士フイルムなどは、内視鏡だけではなく画像解析にも力を入れており、これまで高度な知識、経験でのみしか分らなかった病気も経験の浅い医師が同等に診断できるようになってきています。

そのようなことから、画像とAI(診断)の両方に強みがあるNVIDIAが進出するのもうなずけます。

世界的に寿命が延びていく中、医療は今後の大きなテーマ。

オプジーボにより抗がん剤の効果が飛躍的に上がり大きな成果を収めましたが、高額な医療費もクローズアップされました。

医療費を削減するには、診断、特に初期診断が重要です。

早く、確実な診断ができれば、身体、医療費への負担を減らすこともできるのではないかと考えられます。

そういったことから、AIと画像処理に大きな強みがあるNVIDIAの製品が採用されるのは時間の問題なのかもしれません。

NVIDIAの成長はまだまだ続きそうです。